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紀元1701 [ボードゲーム(か行)]

『紀元1701』
作者:クラウス・トイバー
メーカー:コスモス
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:60分
キーワード:カタン、資源、個別マップ、航海、開拓地、お金、恩恵

トイバー得意のカタンの一種。
原題はPCゲームから。
航海する共用マップと、プレイヤー用のマップがある。
ルールはほぼカタン。後はこのゲーム独自のルール。

ゲームの流れ
①資源産出
手番プレイヤーはダイスを2個振り産出するものを決める。3~6、8~11なら資源産出、2、7、12ならイベントが発生。
産出する資源はプレイヤー用のマップに対応する数字の書かれているマスの資源が。
イベントは3種
ア:火災:手札(資源カード)が8枚以上に人は半数(端数切捨て)分捨て札に。
イ:税収:お金が入る。幸福度により増加
ウ:女王:恩恵を2つ以上持っている人は対応分出費

②アクション
ア:交易・・・資源のトレード
イ:建設・・・建物、船の建設
ウ:建物の購入・・・特殊な建物タイルを買う
エ:女王への献金・・・恩恵が手に入る

③航海
基本は移動力4マス分あるので、応じたマス分船を進められる。
進める途中?マークのマスに入ったらイベント。イベントには、海賊、交易船、難破、嵐、凪があり、それを処理する。
未開のタイルの隣にきたら、隣接するタイルを1枚選んで自分だけ確認する。その後、船をストックに返して開拓地を建設してもいいし、航海を続けてもいい。開拓地を作った場合隣接するタイルが裏向きなら表にし以後その開拓地に隣接するタイルの(数字が書いてあれば)資材が出る。

タイルにはステータスを上げるアイコンが描かれている事がある。お金、軍事力、幸福度、帆。
お金は交易船との交易での資源1枚の価値を変える。
軍事力は海賊との戦闘に。
幸福度は税金の金額が。
帆は船の移動力が。

これらは(帆は除く)ステータスボードで管理され、3を越えた時点で女王の恩恵が手に入る(追い越されると取られる)。

持ち金が2以下になると暴動が起き、6、8のダイスが出ても資源が出なくなり、かつお金で資源を買うことが出来なくなる。また、この状態では勝利条件を満たしていても(女王の恩恵5つ)勝利できず、非常につらくなる。

こうして、いかに早く5つの女王の恩恵を獲得するかが勝負。
3点を超えると残りは一気に来ることが多いので3点を誰かが超えたら要注意。ステータスなら追い越せば取ることが出来るのでうまく立ち回る必要がある。

通常のカタンより資材が1種多く、資材を集めるのが大変だが、自分のマップが開拓され、大海原に航海していくさまは勝っても負けてもまだ続けていたくなる雰囲気を持っている。

評価(5段階):☆☆☆☆

個別ボードは資材と数字がばらばらで、プレイヤーごとに展開が異なる。いかにも大航海時代な雰囲気を味わえるので開拓ゲームが好きならお薦め。
がダイスを使うので、そういったランダム要素が嫌いな人にはお薦めできない。

クトゥルフダイス [ボードゲーム(か行)]

クトゥルフダイス
メーカー:スティーブンジャクソンゲームズ
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:20分

キーワード:クトゥルフ神話、ダイス、正気度

ダイスゲーム。やることは簡単で、犠牲者を選び、ダイスを振ってその目の指示に従うだけ。
最終的に自分ひとりだけ正気を保っていれば勝ち。

出目には
①相手の正気度カウンターを1個クトゥルフに捧げる
②相手から正気度カウンターを1個奪う
③クトゥルフから1個正気度カウンターを1個奪う
④全員がクトゥルフに1個正気度カウンターを捧げる
⑤上記から1つを選んで実行
の5種類があり、多面体(16だったかか20面体)ゆえ出目の確立は全て同じではないため、出目に偏りが出るため、基本的にはどんどん全員の正気度が下がっていく。もしなくなってしまったらどうなるか?。プレイは実行するが正気度を失ってしまっているためクトゥルフ狂信者となってしまうので、ゲームに勝つことは出来ない。唯一正気度を取り戻せるのは③の出目の時。
ゲームは氏名制なため、基本的には正気度が高い人が狙われよう。が、勝ってばかりいる人がいれば集中して狙われるかもしれない。所詮ダイスゲーム、みんなでわいわいとノリを楽しむゲームような気がする。

評価(5段階):☆☆
ダイスゲームでこれまでにもどこかで見た事がありそうなタイプゆえ、どうしても低評価。ダイスゲームなら他にいくらでも楽しめるものがあるし、これならではというものもない。クトゥルフが好きで直接打撃が出来るゲームが欲しかったのならうってつけかもしれない。

グレン画廊 [ボードゲーム(か行)]

グレン画廊
作者:ライナー・クニツィア
メーカー:メイフェアゲーム
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:60分
キーワード:カード、駒、ビット、ポイント

同作者の『メンバーズオンリー』のリメイク。
今作では画廊がテーマ。5つある画廊に客が何人くるかを予想する。

ゲームは以下の手順で流れていく。
①セットアップ
手札を配り、山札から2枚オープンし、対応する画廊に置く。残った山札はこのラウンドでは使わない。
②客入りを予測する
5つある画廊のうちの1つに予想駒を置く。
置ける駒は通常の予想駒(×1倍)、倍増駒(×2倍)、ボーナス駒(×1倍)の3種。
ラウンドの始めの一手のみボーナス駒を予想駒、倍増駒と一緒に置ける。
③客を呼ぶ
手札からカードを2枚プレイし、対応する画廊に置く。
各画廊の客カードの内訳は通常の客が9枚、画学生が2枚。画学生は画廊のお邪魔カードで、通常の客と相殺する。
以下繰り返していき、
④最後の呼び込み
全員の手札が3枚になった時点で残りの手札から一斉に、2枚を画廊に追加、1枚は破棄する。
これにより、各画廊の最終的な客入りが決定する
⑤予想の確認
予想が合っているかどうかを確認し、合っていれば点数が、外れていれば予想駒が没収される(没収されると予想の確認が終わった時に予想駒が1個以下になるまで回復しない(どんどん減っていく))。
⑥ゲームの終了
誰かが、5つの画廊の予想得点数が全て5点以上になったらゲーム終了。そうでなければゲームを続ける。
5つの画廊の得点を合計して一番高い人が勝者である。

評価(5段階):☆☆☆☆

手札と相談しつつ、場に表になったカード、他人の予想の仕方から客入りを予想しビットするのが悩ましい。外れれば予想駒は没収されてしまうので、あまり強気な予想は、周りからの邪魔が入ろう。悩んで強気でビットしたところが当たったときの喜びも大きいが。
常にじりじりした予想戦が繰り広げられる良作だ。
万人には難しいかもしれないが、一度は遊んでみることをお薦めする。

プレイヤー人数によって初期手札枚数が違うのだが、ラウンド中使わないカードがあるので、客入りを予測するのがなかなか難しい。



クォバディス [ボードゲーム(か行)]

クゥオヴァディス
作者:ライナー・クニツィア
メーカー:アミーゴ
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:60分
キーワード:議会、多数決、交渉、ポスト、名誉点、条件脱落

古代ローマの元老会議員を目指す多数決交渉ゲーム
プレイヤーは1派閥となって、自派閥の議員を重要ポストにつけるのが目的。最終目標は元老院議員。

手番に出来ることは3種類。
①議席に自派閥の議員を送り込む
②既に議席に置かれた議員を上級議会に送り込む
③カエサルマーカーを移動させる

①は簡単。最下位議会の空いている議席に自派閥の駒を置くだけ。
②がこのゲームのメイン。議席に置いてある駒をさらに上の議会に送り込むには議会での承認が必要。具体的にいうと、その議会での過半数の同意が必要で、仮に議席が3つある議会であれば2つ分の議席の同意があれば駒の移動が出来る。が、なかなかうまくはいかない。自分の駒で過半数を占めていれば、無条件で上がれるけれど、実際そうはうまくはいかない。そこでそれを解決するために用意されたものが交渉だ。その議会に置いてある他のプレイヤーに交渉を持ちかけ同意をもらうのだ。が、ただでは難しい。そこでいろいろな方法が許されている。チップの贈与や、次の交渉の時の配慮などがあるが、その場で解決できない約束事は守らなくてもいい、というのがみそ。仮に約束を破棄されても、同意した瞬間に1点チップ1枚はもらえるので、まったく無駄にはならないが。上位の議会に上がる経路にチップがあればそれは取ることが出来る最終的にはこのチップの得点が一番多い人が勝利に近づくので、チップは重要だ。
③はカエサルチップを移動できる。カエサルチップが置いてある経路は議会の承認なく上がることが出来る。手間をかけず上がれるのは確かにありがたいのだがひとつ欠点が。そう、カエサルチップのあるところはその下にあるチップは取れなくなってしまうのだ。

さてゲーム終了条件。ゲームは元老院に駒が5個置かれたら。ポストは5つあるわけだが、全員が座れるかはわからない。何故か?それは、ゲーム終了時に比べるチップの得点は、元老院に駒を置いていないと計算できないから。そう、脱落してしまうのだ。たとえチップの得点がトップだったとしても元老院に駒がなければ敗者。なので、元老院の席取りは熾烈を極める。

評価(5段階):☆☆☆

今となっては古いデザインであるが、交渉ゲームとしては元老院をめぐるポスト争いは熾烈。ありとあらゆる手段を用いて上がらなければ最終得点計算をさせてもらえない、というのは良く出来ている。

グレンモア [ボードゲーム(か行)]

グレンモア
作者:マティアス・クラマー
メーカー:アレア
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:90分

17世紀スコットランドを舞台にした影響力獲得を題材。
プレイヤーは村から始まる1つの街を作り上げていく。
手番に出来ることは、タイルを獲得し街を広げ、タイルの効果を発動し、影響力の元である特殊タイル、ウイスキー、キャプテンを増やしていく。
細かく見ていくと、
1)タイルを取る
このゲームではタイルはメインボードに配置される。置かれる場所は全14マスがリングになっており、そこに順に置かれるのだが、まず、プレイヤー駒がプレイ順に従って置かれる。その後タイルがぐるっと一周置かれ、プレイヤー駒の最後尾のすぐ裏のマスだけ空きマスになるよう配置される。
プレイヤーの手番は、このプレイヤー駒の列の最後尾の人がそのターンのプレイヤーで、タイルを取る時は欲しいタイルの上まで駒を進め、そのタイルを取る。取ったタイルに購入コストがあればそれを支払う。
2)タイルの配置
自分の所有タイルに隣接(辺で)するように配置する。タイルには配置した時に物がもらえる場合があるので、あれば獲得する。なおタイルの配置にはいくつかの制限がある。
・配置する場所は一族駒の周囲の場所
・川と川はつなげる、また道と道も同様(川や道は2本にはしない)
3)周辺タイルの効果の発動
その後、配置したタイルと、その周りのタイルの効果を発動(産物が出たり、得点を獲得したり、一族駒の移動だったり)する。
4)タイルの補充
タイルを補充したら次のプレイヤーへ。
よって、タイル獲得状況によっては連続手番が発生することがあるのが特徴だ。

影響力を上げるには、
1)特殊タイルを集める
特殊タイルはタイルにマークが描いてあるので人目で判別できる。特殊タイルだけ合って大概強力な効果がある(全13枚)
2)ウイスキーを集める
タイルにはウイスキーを造る効果のあるタイルがあるので、その効果を使う。作るには麦が必要
3)キャプテン、BONNETを集める
一族駒を自分の街から外すことによってキャプテンにできる。が、キャプテンのいる周りにしかタイルは配置できないので良く考える必要がある。BONNETは特殊タイルに描いてある帽子のマーク

が、集めれば集めた分だけ点になるかというわけではなく、各項目で最下位の人と自分の持分を比べ、その差分を表に照らし合わせて影響力を獲得する、というもの。なので、これが結構難しい。
あと、タイルは持ちすぎると今度は最少枚数の人と比べてその差分×3点マイナスなので取り過ぎも厳しい。

なんとも難しいゲームです。決算は3回+1回なので、うまく立ち回る必要がありそうです。なるべく集めるものは集中した方が効率的な気がします。満遍なく、また、無駄にタイルを取り過ぎるのは後々減点が大きいです。

なお、産物はお金でも何とかなるけれど、市場効果であまり買いすぎると、後から売る人がおいしくなるので計画的に。

ボードゲームとしては小ぶりな部類ですが、ゲームは非常に悩ましくなっています。タイルを取ること以外にほぼ他人との関わりはないけれど、そこの駆け引きが面白い。

評価(5段階):☆☆☆☆

カルカソンヌ、アルハンブラが好きな人には1つステップアップするには丁度いいかも。

カタンの開拓者たち [ボードゲーム(か行)]

カタンの開拓者たち
メーカー:コスモス
作者:クラウス・トイバー
プレイ時間:60分
プレイ人数:3~4人(拡張を入れると3~6人)

現在のドイツボードゲームが世界的に認知されることになったきっかけと言ってもよいゲーム。
発売されて10年以上経つが、いまだ現役で、版を重ね、拡張セットが発売されている記念碑的ゲーム。

様々なシステムを内包し、これを遊ぶことが苦もなく出来れば、他の大半のドイツゲームはプレイすることが出来ると思われる。陣取り、建築、交渉、資源獲得、等現行のゲームの考えうるほとんどのものが入っているからだ。

ゲームは一度やれば把握できるほどのもので、毎ターン振られる2個のダイス目の合計によって、各プレイヤーに資源が入り(もちろん何も出ないこともあるし、逆に悪いことが起きることもある)、その資源を使って建築したり、必要なものが足りなければ、他プレイヤーと交渉したりして、最終的に勝利ポイント10点を目指す。

このゲームにおいて、ボードは可変である。六角タイルを島状に並べてセットするからで、遊ぶたびに配置が変わる。タイルの種類は5種類、麦畑、牧草地、鉱山、森林、採土場。
また各タイルには2~12(7は無い)の数字チップがチップが置かれ、これがゲーム中に振られるダイスの目に対応している。出た目に対応するタイルから資材が算出され、そのタイルに隣接するところに開拓地を建てていればその資材がもらえる(都市なら2倍)
そして、5種類のタイルに対応するように5種類の資材カード(麦、羊、鉱石、材木、レンガ)とイベントカード(騎士、独占、発見、発展、得点)がある。
7がないのには訳がある。7はこのカタン島に盗賊が現れるからだ。7が出た時、まず各プレイヤー手札(資材のみ)枚数を数える。8枚以上持っている場合は半分を捨札にする(盗賊に持っていかれた)。さらに、ダイスを振ったプレイヤーは盗賊駒を移動させ任意の場所に置く(その場に留まる事は出来ない)そして盗賊駒が置かれたタイルの周囲に開拓地、街を建設している、他のプレイヤーを1人指定して、その人から資材カードを1枚ランダムで奪う。当然トップから奪うことになるだろうが、どうしても必要な資材を誰かが持っていることが確定してわかっているのなら、その人から奪うこともあろう。災厄はさらに続く、盗賊駒の置かれたタイルは以後、その盗賊駒が去るまでは資材が出なくなるのだ。

このゲームは建築ゲームである。タイルの交点には開拓地などを建築できる。資材カードの組み合わせで建てられるものは変わり、建てられるものは、開拓地、開拓地をアップグレードする都市、街道である。カードの組み合わせによってはイベントカードをひくことも出来る。

このゲームは交渉ゲームである。建築するためにはカードを上手く集めなければならないが、流れによっては欲しいものがなかなか出ない事もある。そんな時は、他のプレイヤーと上手く交渉するのだ。

このゲームは陣取りである。ゲームに勝つためには開拓地や都市、最長街道を目指す必要がある。そのためには、いかに効率よく、他のプレイヤーより先んじて良い交点に開拓地を建てていくかが大事だ。

以上のように、カタンは様々なルールがうまく組み合わされることによって成り立った面白いゲームだ。
最初は少し難しく感じるかもしれないが、ひとたび遊べばすんなりルールは理解できるはず。そしてその頃には、自分の開拓地の情勢に一喜一憂し、終わったあとには、『もう一回!』と言っているはずだ。
カタンは既に古典といってのよいぐらいの趣があるが、今を持ってして、拡張セット、バリアント(追加ルール)やスピンオフ作品が作られるゲームだ。いきなりカタンからドイツゲームを始めるには少し敷居が高いかもしれない。が、一度遊んだその先には楽しいゲームタイムが待っていることは間違いない。

評価(5段階):☆☆☆☆☆

すでに何百回と遊んでいるが、飽きることがない。アナログゲームの様々なエッセンスが豊富に盛り込まれたシステムは絶妙に絡み合うことにより、ドイツボードゲームの代表といってもよい風格を備えている。

追加セット
カタンの航海者達
騎士と街
歴史シリーズ 2種(4シナリオ)
カタンブック(バリアントルール集)
等々単体で遊べる独立型のエキスパンションも多数出ている。
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