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アルハンブラ [ボードゲーム(あ行)]

アルハンブラ
作者:ディルク・ヘン
メーカー:クイーンゲームズ
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:60分
キーワード:お金、タイル、決算、壁、得点

ディルク・ヘンのドイツゲーム大賞受賞作。
4種類のお金、6色の宮殿タイル(以下タイル)、さまざまな構成の壁。これらが絡み合って絶妙なバランスになっている。
ゲームの流れは簡単だ。タイルを買って、自分の宮殿を大きくしていくだけ。3回ある決算終了後に一番得点していた人の勝ちだ。

盤面には4つのタイル購入スペースがある。そこからタイルを購入するわけだが、4つの購入スペースは4種類のお金の1つが割り当てられている。なので、いくら欲しいタイルがあってもその種類のお金がなければ購入できない。また、お金の支払いを丁度ですると、なんと追加でアクション出来る。タイルは4つ出ているので、お金を上手に集めておくと最大5アクションすることも夢ではない(なかなか難しいとは思うが)。
タイル購入が出来なければお金を集めることも出来る。お金もボードの横に4枚表になっている。そこから6以上の価値があるものについては1枚。5以下であれば合計5までの範囲で好きな枚数取ることが出来る。大きなお金は確かに強い。が小さなお金は小回りがきく。タイルを購入する時の支払いは複数枚でもよいからだ。

ゲームの決算は3回ある。ゲーム途中に発生する2回の決算と、ゲーム終了時(タイルがボードに補充できなくなった時)だ。得点は、この決算時のタイルの色毎に何枚保有しているかだ。最初の決算では各色のタイルのトップのみ、2回目は2位まで、最終決算は3位までである。あと、宮殿の外周にできる壁も重要な得点源だ。壁1枚につき1点。これが結構大きいのだ。

評価(5段階):☆☆☆☆

タイルの色、枚数、お金等々を大局的に見て他人より点数が多くなるように立ち回らなければならない。
各色のタイルの枚数は決まっているので、買われている枚数を把握しつつ、1枚でいいので他者より多く買うのだ。
あと、丁度で買えると追加でアクションできる、というのも面白い。ついつい丁度で買いたくてお金を取ってしまうが、めぐりが悪ければいつまでも買えないということもざら。どこでオーバーで買う、という選択肢を取るのか考えるのも面白い。
タイル配置型の箱庭ゲームが好きならばお薦めの一品。拡張セットも5種類出ているので、ノーマルゲームに飽きた時にアクセントも加えやすい。

アグリコラ [ボードゲーム(あ行)]

アグリコラ
作者:ウヴェ・ローゼンベルク
メーカー:ルックアウト・ゲーム
プレイ人数:1~5人
プレイ時間:30×プレイ人数分
キーワード:マイボード、開拓、ワーカープレイスメント、資材、家畜、長時間

プエルトリコを1位の座から落とした事のあるゲーム。
世界的にブレイクし、あちこちでゲーム賞を受賞しているお化けタイトル。
カードゲームの名手として知られるウヴェ・ローゼンベルクの渾身の一作。

ゲームはプレイヤーごとに持つマイボードを開拓していく開拓ゲーム。色々な要素を満遍なく獲得していくことで勝利点を得るのが目的。カードゲームの名手の作、ということもあってか、今作では下手なトレーディングカードゲーム以上のカードが収められている。しかも1ゲームに使うカードの種類は14枚×人数、と全部を使うわけではないところがミソ。これは毎回展開が変わることを意味し、全部のカードを自分で使えるのは何回ゲームをした時か。
ゲームはワーカープレイスメントらしくスタートプレイヤーから順に家族駒をアクションスペースに置いていくというもの。家を作ったり、増築したり、改築したり、畑を耕したり、種をまいたり、資材を得たり、家畜を得たり、食料を確保したり、子供を作ったり(笑)。やれることはてんこ盛りで、かつ早い者勝ち、というシビアな世界でどれだけ失点をせずに得点を取れるかを競う。
ゲームとして非常に良く出来ているのだが、少々プレイ時間が長いのと、一度トップ争いから離されると、追いつきづらいのがこのゲームの特徴で、家族駒を増やすタイミングがキモだと思っている。

評価(5段階):☆☆☆☆

実を言うと、このゲーム、あまり好きではない(苦笑)。確かに良く出来ていて、展開も毎回変わるので飽きないのだが、家族駒の増やせるか否かで行動回数が大きく変わり、明らかに有利なくせに、始めのうちは1ラウンドに1人しかそのアクションを実行できないのが合わないのだ。
これにくらべれば、後発の同作者のゲーム、『ル・アーブル』の方が好み。あちらは手番数は最終的に平等になる。
世間的にはこちらの方が評価は高いので、好みの差だとは思う。なので手番数に差があっても頑張れる人にはお薦めできる。

エルグランデ [ボードゲーム(あ行)]

エルグランデ
作者:ウォルフガング・クラマー
メーカー:ハンス・イン・グリュック
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:90分

キーワード:陣取り、アクションカード、勝利ポイント、塔、兵士、アクションディスク

ドイツボードゲーム界において3Kと呼ばれている人達がいる。作者のウォルフガング・クラマーはその中の一人で、あとの2人はクラウス・トイバー、ライナー・クニツィアが名を連ねる。
クラマーはドイツボードゲーム業界を古くから牽引してきた名デザイナーだ。いくつものタイトルでドイツボードゲーム大賞、ボードゲーム賞などを獲得している。
このエルグランデは、ドイツボードゲーム大賞、ボードゲーム賞をダブルクラウンで受賞した数少ないゲームの1つである。
ゲームは陣取りに分類される。スペイン領での大公の陣取戦で9つの地域を多数決で奪い合うのだ。ノーマルゲームで9ラウンド、ショートで6ラウンドの構成となる。各ラウンドでは5枚のアクションカードが公開される。それに対して、各プレイヤーは行動順を1周のビットをするわけだが、ビットするのにも特徴があり、各プレイヤーには1~13の1組のカードが渡されており、その数値の大きな数を出したプレイヤーからアクションカードを選ぶのだ。
アクションカードにはそのラウンドに出来るアクションと投入できる兵士駒の数が書かれており、多くの兵士駒を投入できるほど盤面上での争いは有利になるが、プレイヤーの持ち兵士駒は、ストックから手元に一度経由しなければ盤面に投入することはできず、ストックから手元に持ってくるにはアクションカードをビットする時に使うカードに書かれており、数値が小さいほどに補充できる兵士駒は多いという構造になっている。
よって、アクションカードを先に選択したければ大きい数値を出さねばならず、兵士を補充したければ小さい数字を出せねばならないというジレンマが生まれる。
9つの地域の支配権は多数決で、最大兵力を持つものが支配権を得る。支配権と書いたが、ゲームとしては勝利ポイントを争うので、各地域で兵士駒数が1~3位内(一部例外あり)に入ると勝利ポイントが入るようになっている。
かくして、兵士駒のやりくり、アクションカードのやりとりをして、地域トップを目指すわけだが、このゲーム独自の面白いポイントが2つ。1つが塔。もう1つがアクションディスクだ。
塔は見た目そのままで、塔の形をした中空のオブジェクトだ。プレイヤーがアクションを実行する時、兵士駒を投入するわけだが、ボードの地域に直接投入するだけでなく、この塔に入れることも出来る。この塔に投入された駒は、3ラウンド(ショートゲームでは2ラウンド)毎の決算時に盤面に現れ、選ばれた各地域に派遣されるのだ。これはどういうことかというと、盤面上で優位を保っていても、塔からの駒が流れ込んできたがために、優位が崩れる可能性があることを意味する。この塔からの再配置があるからこそ、塔に投入された駒のカウンティングが重要で、これを忘れていると、せっかくトップを取れるところを取り損なってしまうことが起きるのだ。
アクションディスクは全プレイヤーが1つづつ持ち、それらには9つの地域が記載されており、アクションカードでの地域決定や決算時の塔の駒の行方を決定する時に使われる。これにより各プレイヤーの思惑が反映される。他のプレイヤーにより思わぬ横槍が入ったりして、波乱を呼ぶのはいつもこのディスクなのだ。

エルグランデは重量級ゲームにあたると思う。が、段階を踏んでステップアップした人にはぜひともお薦めしたいゲームである。アクションカードによる悲喜こもごもはあるが、大きなマイナスイベントもないので、ストレスが少ない。勝利ポイントも一度獲得すれば減ることはないのも落ち込まなくて済むのは大きい。少々時間がかかるのはネックだが、それを上回る充実したゲーム時間を得られるだろう。

評価(5段階):☆☆☆☆☆

陣取りゲームが好きな人にはぜひ!

エンデバー [ボードゲーム(あ行)]

エンデバー
作者:カール・ヴィッセル&ジャラット・グレイ
メーカー:Z-MAN(日本語版:ホビージャパン)
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:90分
キーワード:歴史、国家、植民地、陣取り、チップ、個別ボード、能力拡大
19世紀西欧の列強の国家となり植民地を増やしつつ、国を拡大、強化していく。
計7ラウンドで多くのポイントを取った人が勝者。
ゲームは明確。毎ラウンド建物を1つ建築、その後人口が増え、働いていた人が手元に戻り、能力ポイントのチェックが入り、次ラウンドへ。
各プレイヤーには自国の状態を表す個別ボードが配布されている。そのボード上には4種類のパラメータがあり、産業、文化、財力、政治を表している。
産業は建てられる建物のレベルを表し、1~5レベルまである。当然レベルが高いものほど、能力は高い。また、枚数も少なくなっている。建物は後のアクションでの基盤であり、建物がなければアクションはほとんど出来なくなる(初期では侵略アクションの建物のみ、あと取ったチップでのアクションがあるが後述)
文化は人口増加度を表し、毎ラウンドいくつの人駒が補充されるかを表す。数が増えればアクションの数ないし幅が広がる。
財力は、建物で働かせている人駒をいくつ手元に戻せるかを表す。戻せる駒の数が多いほど建物が無駄にならなくなる(お金が払えない駒は置いたままとなり、そのラウンドその建物でのアクションは出来ない)
政治は保持できるカード枚数の上限を表しており持てるほどに有利。
手番の流れは簡単。親番から順に実行したいアクションの建物に人駒を配置、対応するアクションを実施する、もしくはアクションチップ(使い捨て)を使いアクションを実行する。以下時計回りに繰り返し、全員がパス(1度パスしたらその後は手番は飛ばされる)したら1ラウンド終了。カードの枚数制限のチェックをして次のラウンドへ。
アクションには、侵略(領地を増やす)、航海(植民地探索)、戦争(他人の領土への攻撃)、カードを引く(カードを引く地域への影響度によるが、自国の大幅強化が可能)、建物に置いてある人駒に給料を払う(建物の再利用)があり、さくさく進む。全体ボードには多数の領土、未開発地域があり、領土や、領土と領土の間、各地域にはチップが配置してあり、各チップはアクションに応じて手に入る。チップにはパラメータを上げる効果があるので、即時適用。
7ラウンドを終え、個別ボードの得点、未使用人駒(3個で1点)、総督カード置き場が空いていれば3点、領地の得点、航路の得点を全て合計し、一番得点が多い人が勝ちである。
いくつかまだルールがあるが、大まかには以上。自分のボードを成長させたり、全体ボードに駒を置いていくのが楽しい。航路の駆け引き、総督カードを巡る駆け引きが熱いが、ルール分量はそれほど多くなく、終わった後、ついもう一回と言える良作。このたび日本語版(といってもほとんど日本語依存度のないげーむではあるが)が発売されたことだし、お薦めです。
評価(5段階):☆☆☆☆☆

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