ボードゲームの認知度 [雑感]

ブログ世界で話題となっているボードゲームの広がりについて少しばかり考えてみた。

が、この命題について、どうも感覚的にずれを感じる。
日本において、ボードゲームは広がっているのか?といえば、答えはイエス。
なぜなら、日本には古来から伝わる伝統ゲームが既に十分遊ばれているから。
プロが存在する、囲碁、将棋、麻雀を筆頭に、花札や百人一首、トランプ、かるた、オセロ、等々、そうそうたるものが遊ばれてきている。これに人生ゲーム、ドンジャラ、黒ひげ、UNOなどを加えれば、かなりの量だ。

おそらく、出題として問いたかったのは、ドイツを代表するユーロゲームや、アメリカのボードゲームが広がっているのか?ということだろう。

これに関して言えば、答えはノー。
が、これは仕方あるまいとも思う。日本においてはヨーロッパよりアメリカの影響が大きく、ゲームもアナログゲームからTVゲームに移行し、その期間が長かったのだから。今は裾野を少しずつでも広げていく時期で、そうそう簡単に広がるとも思えない。

広がっていない要因としては、
①価格が高い
正直高い趣味だと思う。箱物で6000円前後が当たり前のボードゲームにお金を払える人はそうはいない。特に一般流通しているホビージャパンの扱っているものに関して言わせてもらえれば、訳つきとはいえ定価で7000~8000円もするゲームを仕入れてきてどうするつもりなのか?マニアだけを相手にするつもりならいいけれど、一般客を引き込んで行きたいと考えているならありえない価格設定だ。確かに安めのものもあるけれど、それでも他のショップ商品より高く感じる。とあるところで聞いた話によると、為替レートがかなり高めに設定されているため、こんな値段らしいのだけれど、1ドル100円切ってるご時世にそれ以上のレートで定価設定ってどんだけぼってるの?と思う。海外ショップサイトを一度でも見た事があればわかるけれど、どう考えても高いですよ?
②扱っている店舗が少ない
買える場所がなければ当然一般人の目に入るはずもなく。この趣味に貪欲な人はネットを使ってでも調べるけれど、一般の人なんてそんなことに労力を割きません。
③広告がない
もっと一般メディアに露出なくして広がることはない。ネットでの口コミにも限度があるし。
有名俳優とか芸能人がはまってる、みたいな記事がもっと出て来れば一般人にも訴求力があるはずなんだけれど・・・
④過去からのイメージ
ボードゲームというと暗い人(もしくはオタク)たちの遊び、というイメージを払拭できていない。

さて、こうして色々書いてみたけれど、おそらく、これがクリアされても、自分が思うような世界にはならないだろうなぁ。ゲームに入ってくるには段階があるし、好みもある。難度が高いものを遊ぶにはいくつものふるいを越えて行かなければならないし、求める相手はそういったゲームにも対応できる人だから。もちろん、軽めのゲームも遊べるけれど、そういったゲームだけではどうしても食い足りない感が付いて回るから。

現在がんばってるなぁ、と感じているのはアークライトの輸入日本語版(国産品はシステムのパクリ、萌え化が激しく、ちょっといかがなものかと。国産萌えTCGを遊んでる人向けにやってるんだろうけれど、あまりに露骨過ぎる)。日本語化されており、コンポーネントも本国版と遜色なく、かつ値段も随分と頑張っている。ちょっと選ばれているゲームが偏ってる感じはするけれど、これはアークライトの方針だろうか?

何にせよ、ユーロボードゲーム、アメリカボードゲームが広まるには、長い時間がかかるだろう。乗車券の日本語版を出したバンダイは、効果を望んだ割には、やってはいけないコンポーネントのチープ化や販促の手抜きをして、結果ワゴンセール状態を作ってしまったけれど、これからこの業界を担っていこうと思うのなら、そういった小手先の逃げはせず、誠意を持って事業を進めて欲しい。
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コメント 2

タカハシ

お久しぶりです。

①価格が高い

確かに平均単価は高い趣味ですよね。個人的にはゴルフ1回よりだいぶ安いと思ってますが、あれこれ欲しくなってくるとお金がかかってきちゃいますね><お金の使い道としてはかなり贅沢な部類かと。

②扱っている店舗が少ない

初心者の方に薦めて大抵聞かれるのが「どこでこういうの買うの?」という質問。もっと気軽に手に入る環境であれば良いのにとは常に思いますが・・・昔に比べればネットですぐに買える分入手環境はかなり改善されているとは思いますけどね。

③広告がない

これは確かにそうだと思います。有名将棋棋士とかにもっと遊んでもらいたいですね。

④過去からのイメ-ジ

う~ん、どうでしょう。逆に自分自身も含めて、現行のマニアの人たちが色々と発信している情報が、あまり(一般の方たちにとっては)魅力的でないという方がウェイトが重い気もします。

極端な消費主義、次から次へと新作を貪りつくす今の状況は、もし布教を考えるのであれば自分達で自分達の首を絞めているのと同じだと思います。

とにかく『カタンの開拓者』でも、『ドミニオン』でも何でも良いので、「楽しく遊ばれている」というアピ-ルをもっとするためには、固定の作品を繰り返し遊んでいるという状況をどんどん作り出さないとダメなんでしょうね。

私自身はそういったアピ-ルをするのに消極的ですし、なかなか難しいと思っているので実行には至っておらず、強く主張できないのが痛いところなんですが^^;
by タカハシ (2011-08-18 08:54) 

qwerty

記事中で気になる部分があったので。

「とあるところで聞いた話によると、為替レートがかなり高めに設定されているため、こんな値段らしいのだけれど、1ドル100円切ってるご時世にそれ以上のレートで定価設定ってどんだけぼってるの?と思う。」

のくだりは、憶測が多分に入っていると思いますよ?
事実のように決め付けで記事を書かれるのは危険だと思います。

by qwerty (2011-08-18 09:05) 

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